現代を20世紀の美術、精神分析における無意識概念と身体が作り出す表象の合一を目指した非具象的な作品の歴史に連なる概念史的な枠組みで捉え直し、特にアメリカにおける抽象表現主義以降の作家ジャクソン・ポロックの後期作品において表出していた、オールオーバーな画面と形象的な画面の並置に批評的な可能性を捉え、絵画面における冗長性の発生、またその逸脱を繰り返し、画面を構築していく描画を試みている。
2023年10月7日以降、イスラエルによるパレスチナ侵攻に関する報道を見聞きする中で、地理的に遠く離れた国で顕在化している入植者植民地主義が文化の中でどのように構造化されているかについて関心を持ち、上述した現在へと連なる美術の歴史、また戦後アメリカで勃興した抽象表現主義以降の作品群を批判的に捉え直し、絵画と身体をめぐるパフォーマティブな表象の生成それ自体を対象化するようなパフォーマンス作品や、展覧会の作りに静的な作品と動的な展示構造を組み込む設計を施し、展覧会自体がイメージを生成変化する現場として仮設することなどを通じて、自身の身体が空間的、環境的に被る拘束、それを起点とした作品制作の実践を続けている。